本の覚書

本と語学のはなし

大学時代の本の覚書(1)


 大学に入ると、初めの頃こそゲーテやドイツ・ロマン主義を読んだりしたが、次第に語学の勉強が中心になっていく。


ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』『若きウェルテルの悩み』
 『ヘルマンとドロテーア』と『若きウェルテルの悩み』を原文で読み、言葉を愛する者として、カントのドイツ語(読んだことはなかったが)よりゲーテのドイツ語こそ選ぶべきだと考え、ドイツ文学を専攻する。失敗だったと思う。

Hermann Und Dorothea

Hermann Und Dorothea

  • 作者:Goethe
  • メディア: ペーパーバック
若きウェルテルの悩み (新潮文庫)

若きウェルテルの悩み (新潮文庫)

  • 作者:ゲーテ
  • 発売日: 1951/03/02
  • メディア: 文庫
Die Leiden Des Jungen Werther

Die Leiden Des Jungen Werther


■ヘッセ『漂泊の魂―クヌルプ』
 ヘッセはいろいろ読んだが、これが多分最後。ラストで神の声を聞く辺りは甘い感じがするけど、主人公が孤独なさすらい人として死んでいくというストーリーは私のツボ。

漂泊の魂―クヌルプ (岩波文庫)

漂泊の魂―クヌルプ (岩波文庫)


■『ニーベルンゲンの歌
 ドイツ文学を専攻して漂流を始めた私は、中高ドイツ語やアイスランド語に精を出す。楽しかったけれど、それが逃避であることは承知していた。『ニーベルンゲンの歌』は原文でもけっこう読み進めていた。

ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

  • 発売日: 1975/01/01
  • メディア: 文庫
ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)

ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)

  • 発売日: 1975/02/17
  • メディア: 文庫
Das Niebelungen Lied

Das Niebelungen Lied

  • メディア: ハードカバー


■ホフマン『黄金の壺』
 ロマン主義にけりをつけるといった下らない理由から、『黄金の壺』で卒論を書く。それが私のドイツ文学の成果であった。私は何ものにもなることはできなかった。

黄金の壺 (岩波文庫)

黄金の壺 (岩波文庫)

  • 作者:ホフマン
  • 発売日: 1974/05/16
  • メディア: 文庫