本の覚書

本と語学のはなし

『MY BEST よくわかる日本史』


●石川昌康・野島博之『MY BEST よくわかる日本史』(GAKKEN)
 東進ブックスの『一目でわかる日本史ハンドブック』を使っていたこともあったが、カラー図版がたくさんある方が楽しいし分かりやすい。別冊の資料編には現代語訳もついていて便利だ。一般常識としては、このくらい押さえておけば十分だろうと思う。


 高校時代には、江戸末期から太平洋戦争までの歴史をしっかり勉強しようと思ったはずなのだけど、あの頃は途中から語学(英語以外の)に夢中になったり、現象の背後に永遠不変なものを想定して変転する歴史に興味を失ったりして、入学時と大差ない知識のまま卒業してしまったのだった。歴史だけじゃない。学業全般がおろそかになって、まっとうな道を逸脱してしまった。
 知識は羽ばたき天駆けるための翼であると言ったのはゲーテだったと思うが、歴史も政治経済も数学も英語も理解しないまま大人になってしまったせいで、20代の私の活動は惨憺たるものだった。テストで点を取るとか単位を取るとかはどうでもいいことだけど、学校で習うことはちゃんと勉強しておいた方がいい。習わないことで習得するべきは、本の読み方と勉強の仕方である。