●朝倉智也『投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ランダムハウス講談社)
投資信託というと、プロのファンドマネージャーが全部面倒を見てくれるのだから楽チンだ、という印象があるかもしれない。しかし、実は、購入の際にチェックするべきことがたくさんある。
何のためにどれだけのお金が必要で、用意できるお金からしてどれだけのリターン設定をすればいいのか。そのためには、コアとなる投信(国内株式、国内債券、国外株式、国外債券)にどのような配分でお金を分散させるのか。個々の投信を評価するためのチェックポイントは何か。著者はモーニングスターの代表取締役であるので、そのサイトを使いながら投信の見分け方を説明する。
購入すればそれでおしまいではない。定期的に見直しをし、必要に応じてリバランスを図らなくてはいけない。場合によっては売却も考慮しなくてはいけない。面白いのは、パフォーマンスが良すぎる時にも、売却候補になるということ。それだけ大きなリスクを取っている可能性があるわけで、コア投信に必要な安定性に疑問が付されるからだ。
個別株やFXの本のように煽るような内容ではなくて、好感が持てる。投資信託のあるべき姿を反映しているのだろう。
投資に回す十分な資金もないくせに、最近こんな本ばかり読んでいて恥ずかしい。
- 作者:朝倉 智也
- 発売日: 2006/03/16
- メディア: 単行本