本の覚書

本と語学のはなし

『英文解釈教室 改訂版』

伊藤和夫『英文解釈教室 改訂版』(研究社)
 高校時代に苦労して読んだ。何とか最後まで到達したものの、もう一度復習する気力などなくて、この本が本当に私の血肉になったのかどうか覚束なかった。
 長年英語嫌いで通してきたのに、今読み返すと、高校時代になぜ苦しんだのかほとんど理解できない。知らない内に、血肉となっていたのかもしれない。
 私の課題はもう複雑な構文を読み解くことではない。そのことを確認したのが唯一の収穫だ。


 誤読は一見何でもないような所でこそ起きるものではないだろうか。読めているはずなのに何故かすっきりしないような所、あるいはそうした違和感すらなしに読み過ごしてしまう所で、案外私たちは読み間違っている。
 また、明らかに読めていないのだが、それが複雑な構文のせいなどではない場合も多々ある。あまりに単純で、なぜ理解できないのかが理解できないような所で躓いてしまう。
 そういう問題は、もはや受験英語の範疇ではない。


 朱牟田夏雄や行方昭夫の本でもう少し解釈を勉強しようかと思っていたが、参考書ばかりではつまらないので、当分は時事英語と英米文学の原典に専念し、なお読解力不足を感じるようであれば、私の抱える問題に効きそうな参考書を選んで読んでみることにしたい。

英文解釈教室 改訂版

英文解釈教室 改訂版