Et cum tempus advenerit, quo se mundus renovaturus extinguat, viribus ista se suis caedent et sidera sideribus incurrent et omni flagrante materia uno igni quicquid nunc ex disposito lucet ardebit. Nos quoque felices animae et aeterna sortitae, cum deo visum erit iterum ista moliri, labentibus cunctis et ipsae parva ruinae ingentis accessio in antiqua elementa vertemur. (26.6-7)
そうして、宇宙が新たな営みを再び開始するために自壊して瓦解する時が来れば、そうした(下界の)ものは皆、みずからの力で壊滅する一方で、星辰は星辰と衝突し、すべての質量(実体)は灼熱して、今は秩序正しく光を放つすべてのものが一つの大燃焼によって燃え上がることになる。浄福で永遠のものを分かち与えられたわれわれの魂も、神がそうした森羅万象を再び創造することをよしとされ、万物が瓦解するとき、まさにその巨大な破壊の微少な付加物となって、そもそものはじめの元素へと回帰するのである。(p.306)
マルキアの若い息子が亡くなった。それを慰めるために書かれた手紙である。
最後はマルキアの父を登場させる。セイヤヌスによって殺されそうになったため、自ら食を絶って死んだ人である。その彼が、今や浄福の魂となって世界の行く末を語るのである。
大燃焼による世界の瓦解と再生というのは、ストア派の世界観である。神を含めて全てのものは元の元素である火へと解消され、宇宙は全て大燃焼する。
『倫理論集』に含まれるものでまだ読んでいないものもいくつか残っているが、これからしばらくは『倫理書簡集』に取り組むことにする。