『ローマ習俗問答』『ギリシア習俗問答』『ギリシア・ローマ対比史話集』『ローマ人の運について』『アレクサンドロスの運または徳について』『アテナイ人の名声は戦争によるか知恵によるか』を収める。
この内、『ギリシア・ローマ対比史話集』は偽作であるとされている。しかし、その他の作品も、それほど読んでおもしろいという作品ではない。
『習俗問答』2作はメモのようなもの。
運とか徳とかいうのは、あっと言わせるのが目的の演示用弁論というものであるらしく(翻訳も講演調になっている)、ここから直ちにプルタルコスの思想を窺うというわけにはいかないようだ。
ただ、アレクサンドロスびいきはかなりのものである。どこまで本気で言っているか知らないが、行動する哲学者として、師のアリストテレスよりも上に置かれているかのようである。