一見して分かるように、プルタルコスにはスパルタびいきのところがある。これはモンテーニュにも受け継がれているように思われる。そして、時代の制約から完全には逃れることができてはいないとはいえ、女性に対する評価は高かった。これもまた、その限界も含めて、モンテーニュに受け継がれていることのように思われる。
メモのような短文が多いので、プルタルコス特有の、何を言ってるのだか分からなくなる悪文的長文はあまりない。簡潔すぎて何を言ってるのかよく分からないことは多々あるけれど。
どこかで聞いたことのある話が多いので、プルタルコスのエッセーの中では、比較的とっつきやすいだろう。盗んだキツネを懐に入れ、腹を食い破られても、「柔弱さのゆえに見つかって惨めに生きながらえるよりも、苦痛に負けないで死ぬほうが良いのだ」(p.284) と言ったスパルタの少年のことは、誰でも知っている。
帰宅後に、英仏のニュースを聞いた後、モンテーニュとセネカとプルタルコスの翻訳を10ページずつ読む生活を続けてきたが、セネカとプルタルコスは一つにまとめようかと考えている。
わずか10ページに耐えきれず、直ぐに眠くなってしまうのだ。