本の覚書

本と語学のはなし

プルタルコス英雄伝(中)/プルタルコス

 中巻に収められているのは、アレクサンドロス、アギスとクレオメネス、ロムルス(付比較)、カトー(付比較)、ティベリウスグラックスとガイウス・グラックス(付比較)、スルラ。
 比較が付いているのは、元来この書物がギリシアとローマの英雄を対比したものであったからである。ちくま文庫の編集ではこのペアを切り離し、取捨選択した上で、ギリシアとローマに分けて年代順に並べ直した。元のペアが両方とも採用されている場合には、比較も訳されているのである。
 ちなみに、ロムルステセウスと、カトー(大カトーの方である)はアリステイデスと、ティベリウスグラックスとガイウス・グラックスはアギスとクレオメネスとペアになっている。アレクサンドロスの相手はカエサルで、カエサルは下巻に収録されているが、このペアにはもともと比較論がない。スルラの相手はリュサンドロスであるが、リュンドロスは収録されなかったので、比較論も省略されている。


 村川堅太郎の解説の最後の方に、プルタルコスの文章について書かれている。プルタルコスを読む人は、どうしてもその厄介さを書かずにはいられないのだろう。