本の覚書

本と語学のはなし

Newton 2023年12月号【超感動の物理】

 宇宙人にとっては水は透明でないかもしれないという話。
 われわれが水を透明であると思うのは、可視光線が水に吸収されず、透過されるからである。ところが、紫外線や赤外線はほとんど水を通り抜けることができない。仮に地球外生命体が、われわれにとっての可視光線以外の波長しか見ることができなかったとすれば、彼らにとって水は不透明な物質であるだろう。


 ちなみに、われわれが可視光線を捉えることができるのは、太陽から届く電磁波の内、最も強力なものの恩恵を受けるためであると考えられる。
 そしてまた、水が透明なのは、水に生まれ、水によってつくられた生命体にとっての必然なのかもしれない。

地球上の生物は海で誕生し、細胞の大半は水でできています。眼球で光を集める“レンズ”の役割をする「水晶体」や、眼球の内部を満たす「硝子体」も、大ざっぱにいえば水からできています。つまり、眼球自体がほぼ水からできているのです。だとすると、水を透過しない光を眼球でとらえられるわけがない、ともいえるでしょう。水が可視光線を透過させるというよりは、水を透過できる光こそが私たちにとっての可視光線なのだ、といえるかもしれません。(p.30)


 今月から株式会社ニュートンプレス朝日新聞グループの一員となったそうである。