古代の百科事典でもあり、名言集でもあり、逸話と引用に満ちている。これを楽しめるかどうかが評価の分かれ道になりそうだ。どうしても注が多くなるが、見開きの左側にまとめてあるので一々ページを繰る必要がない。これはとてもありがたい。ただし、古典に馴染みのない人には、十分な注であるとは言えないかもしれない。歴史、文学史、哲学史の基礎はおさえておきたい。
判断は至って穏当。直接的にはプラトンの系譜に連なるようだが、折衷的で中庸を重んじているらしい。
私は飽きやすく、移り気であるから、ずっと続くかは分からない。場合によっては、金銭的に続行不可能な事態に陥るかもしれない。
しかし、モンテーニュとプルタルコスとセネカの手引きでギリシア・ローマ世界を歩いてみるというのが、残る人生の過ごし方ということになるのではないだろうか。
文学では叙事詩と悲劇。哲学ではストア派、エピクロス派、懐疑派。あと、プラトンも一度は全作品を読んだ方がよさそうに思う。