本の覚書

本と語学のはなし

説得/ジェイン・オースティン

説得 (ちくま文庫)

説得 (ちくま文庫)

 ジェイン・オースティンの物語はどれも恋愛と結婚を主題としているには違いないだろうが、この完成された最後の小説では、それが最も色濃く表現されているらしい。
 全作品を読んでも大した分量ではないというだけの理由で英語の専門に据えたジェイン・オースティンであったが、段々夢中になってきている。今回は心理描写が素晴らしかった。オースティンは英語の中間話法の確立に寄与したと言われているらしいが、心理描写の多くはその技法で書かれているのだろうか。


 次は未完の『サンディトン』を読む。
 アマゾン・プライムで見ることのできるドラマの中に、この作品があるからという理由である。ドラマの方も原作に合わせて尻切れトンボのまま終わるようだ。
 私が把握している限り、今アマゾン・プライムで無料で見ることのできるジェイン・オースティン原作の作品は、ドラマでは『エマ』と『サンディトン』、映画では『説きふせられて』(『説得』のこと)と白黒の『高慢と偏見』。ちょっと前までは『高慢と偏見とゾンビ』という変わり種もあった。


 英語とフランス語の専門をちょっと拡大することにした。
 英語はジェイン・オースティンを主としながら、シャーロック・ホームズコナン・ドイルの全作品ではなく)とシェイクスピアにも関わっていく。
 フランス語はモンテーニュを主としながら、ラブレーフローベール筑摩書房の全集に収められている範囲内でよい)にも関わっていく。
 つまり、シェイクスピアフローベールを加えることにしたのである。副の方は必ずしも原文で全部読む必要はない。