本の覚書

本と語学のはなし

聖母マリヤ/植田重雄

聖母マリヤ (岩波新書)

聖母マリヤ (岩波新書)

 ヨーロッパにおけるマリア崇敬のあり方を、地母神や伝承や習俗や図像などの観点から紹介する。神学的マリア論ではなく、民衆の間で愛されてきたマリアを宗教学的に掬い上げる試みである。
 著者自身もマリアの崇敬者なのだろう。ちょっと物言いの激しくなるところがある。

ルターの聖母にたいする態度をのちのルター派は勝手に捨ててしまい、ルターの中から自分たちの合理的批判的なことに都合のよい部分だけを取り出して教理綱領を作り、一派として独立するが、ルターと、ルター派ないしはプロテスタント派はその点で全く区別しなければならず、本来ルターの持っていた温かな人間味に欠け、冷ややかなものになってしまった。福音派は聖母を教会から排除し、聖者像も置いていない。(p.199-200)

 人間が人間らしくあるためには、著者にとっては、永遠の女性的なるものへの憧れがどうしても必要であると思われたようである。


【語学】
 英語の専門はジェイン・オースティンに決めたが、シャーロック・ホームズとブラウン神父のシリーズにもちょっと首を突っ込みたい。
 特にホームズの方は、ホームズ学という遊戯のような知的探求の成果をも楽しむことが出来るようで、飽きない仕組みが既に世界的に構築されている。
 先日、河出文庫の全集を読んでみると書いた。しかし、文庫版は注釈が大幅にカットされているとのことなので、古本で河出書房新社版を集めることにした。ちなみに、この注はオックスフォードの学問的なものであり、シャーロック・ホームズが実際に存在していて、本に書かれていることは全て真実であるという「信仰」に基づく注ではない。
 そういう注ならちくま文庫版であるが、既に絶版であり、古本も値が張る。調べると、文庫化される前は東京図書から出版されていたようだ。だいぶ安かったので、こちらを注文した。


【家庭菜園】
 6月30日のツルムラサキはとうとう支柱の先まで届いた。摘芯する。


 7月17日の秋キュウリは既にうどんこ病に罹患した。
 後に移植したとは言え、もともとはうどんこ病にかかったキュウリの畝に播種したのだった。無理もないことか。
 下の方の葉を刈ったが、それでは収まらないだろう。コンパクトに育てているので、短期決戦でなんとか逃げ切れればいいのだが。


 8月18日に仕込んだぼかし肥料を開封する。ネットには、夏なら1か月発酵させると書いてあったが、福田俊さんや西村和雄さんはもっとせっかちであり、今回はその間を取って約3週間寝かせた。
 成功かどうかは分からないが、少なくとも失敗ではなさそうだ。これから数日かけて乾燥させる。


 6月30日のつるなしインゲンは、収穫後に試しに追肥してみたら、また花を咲かせた。暫く観察していたが、実が大きく成長しそうな気配はない。葉っぱも枯れてきた。
 諦めて株を倒す。後でホウレンソウの種をまこうと考えている。


 あまり空いたスペースはないが、エンバクヘアリーベッチ、クリムソンクローバの種をまく。