本の覚書

本と語学のはなし

「若紫」→「万葉集巻二」挽歌


 藤壺の姪にあたる、紫の上という少女を引き取る話を終える。『源氏物語』を最後まで読み通す自信がついた。古文の読解力もようやく中級に進んだようだ。
 そこで、ちょっと一休み。『万葉集』巻二の後半、挽歌が途中になっていたので、これを終わらせることにした。

141 岩代の 浜松が枝を 引き結び ま幸(さき)くあらば またかへり見む (有間皇子

146 後見むと 君が結べる 岩代の 小松が末(うれ)を また見けむかも (柿本人麻呂


 粛清された有間皇子を悼む歌がたくさん残されている。正史の側から見れば謀反人であるはずの人にも、同情を寄せる歌が詠まれ、それが『万葉集』に採録されているのは、おもしろい。