本の覚書

本と語学のはなし

Ich liebe


 夏バテ気味で、今日はたっぷりと昼寝する。
 パソコンもだんだん調子がおかしくなってくる。昨日は二階の窓から地面に叩きつけて壊してしまおうかと考えたほどだ。というのも、ワードやエクセルを開くのが大の苦手で、ひどい時は立て続けに五六遍失敗する。開けないだけならともかく、失態を犯すたびに恥じ入って暫く動かなくなる。文字を打ち始めれば、取り乱してあらぬ所にカーソルを飛ばす。インターネットを使用しているときも、時々「応答なし」などと戯言を言ったきり固まってしまう。大切な情報は既に退避させてある。携帯をバキッと折ってしまう人がいるように、ラップトップを限界を超えて開き切ってしまいたい誘惑に駆られている。


 久し振りにニーチェの『ツァラトゥストラ』を読んだので、お気に入りの文章を書き抜いておく。


 Ich liebe Den, welcher sich schämt, wenn der Würfel zu seinem Glücke fällt und der dann fragt: bin ich denn ein falscher Spieler? ―― denn er will zu Grunde gehen.


 わたしが愛するのは、幸運な采の目がころがりこむと、これを恥とし、自分の賭博は不正だったのではないかとたずねる者だ。――なぜなら、かれは没落を欲しているからである。(氷上訳)