オースティンのいろいろな作品からアイディアを得たであろう造形もあれば、オースティンが絶対に書かなかっただろうというシーンもある。原作のテイストとは大分趣が変わったように思うが、これはこれで楽しめる。
ハッピーエンドでないことを責める気になれない。オースティンの意図は分からないながらも、もし『サンディトン』を完成させていたなら、きっとオースティンのイメージを裏切るような作品になっていただろうから。
移動更衣室を映像で見ることが出来たのは大きな収穫であった。
これは馬に引かせる移動式の更衣室であり、ご婦人たちはこの箱の中で海水浴用の服に着替える。更衣室は海の中まで牽引され、そこから直接海に入ることができるのである。