- 作者:森 鴎外
- 発売日: 2012/11/07
- メディア: 単行本
小説を書くべく上京してきた青年小泉純一が、干からびたような鷗村の家の前を通ったり、拊石の講演を聞いて大いに刺激を受けたり、或る未亡人と割に受動的な関係を持ったり、やがてその誘惑を断ったりというのが大まかなあらすじで、作中にいろんな新思潮の文学作品やら哲学思想などが紹介される。
鷗外は長編作家ではないのだろう。『灰燼』は完全に未完成であったし、『青年』も一応擱筆はされたが、実際に書かれたのは構想のごく一部にしかすぎない。
時々無性に読みたくなる。現在、鷗外枠というのを特別に設けてはいなが、考え直した方がいいか知らん。