本の覚書

本と語学のはなし

よいお年を


 学校からの業務依頼メールへの返信のついで、来年度は契約を更新しないつもりであると書いておいた。これで年が越せる。
 まあ、バイトを掛け持ちして、本もろくに読めないくらい余裕がなくて(時間的にも精神的にも)、極端に支出を減らして、それでも貯金は目減りするのだから、今の生活を続けて行けるわけがない。


 久し振りに『源氏物語』の帚木の巻を読む。式部丞が学識のある女との付き合いを冗談めかして語るところ。

「月ごろ風病重きにたへかねて、極熱の草薬を服して、いと臭きによりなむえ対面賜らぬ。目のあたりならずとも、さるべからむ雑事らはうけたまはらむ」(帚木)


 これは女性のセリフ。漢語を使い、言い回しは堅苦しく、「いと臭き」などデリカシーにも欠ける。自身も才女であった紫式部の、冷徹な筆である。
 来年がどうなるか、仕事次第であるとは思うけど、文学と歴史に没頭していきたい。