本の覚書

本と語学のはなし

山菜採り


☆『ボキャビル』『100のフレーズ』
☆『月と六ペンス』『異邦人』『変身』
☆『カーヴァー』『金融の基本教科書』『世界史1』
☆「On The Media」「France2」


 山菜取りに行くというので、父と母を車に乗せて山に行く。しかし、私は興味がないので運転をするだけ。今日は体を休めるための日でもあるし、だいたいあれは違法行為ではないだろうか。
 父母が採集をしている間、私は車の中で本を読む。レイモンド・カーヴァー『Carver’s Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(村上春樹編訳,中公文庫)だ。『翻訳夜話』の中で村上は、カーヴァーの場合、出来るだけニュートラルに訳して、自分の色をつけないようにしていると言っていた。しかし、この本はカーヴァー・ファンではなくて、あくまで村上ファンのための本である。私には耐え難い翻訳だ(効果を狙ってのことだという反論はあるだろうけど、その必要のないスタルの序文なんかもあまりにひどい)。それに、村上本人が編集したからといって、短編タイトルと本文の間にコメントを入れるのは越権行為ではないだろうか。そういうことは訳者あとがきの中でやってほしい。
 翻訳者が有名であるというのは、何とも煩わしいことだ。