キリスト教回帰というのは、キリスト教徒への回帰ではない。購入する本に占めるキリスト教関連の比重を以前の水準まで引き戻すということであり、必然的にキリスト教について学ぶ時間が圧倒的に増えるということである。
短歌の季節は過ぎ去ったが、小説はまだ完全に諦めたわけでない。どのような形で執筆していくのかしばらく試行錯誤が続くだろう。しかし、そのためにキリスト教の学習がなおざりになってはいけない。
- 作者:田川 建三
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
田川建三はふだんはキリスト教の悪口を言い募ることが多いのだが、『キリスト教思想への招待』では、いやキリスト教にもいいところがあるのだよと思い直しているらしい。
以前『イエスという男』を書いた時には、あのたぐい稀なる人物のすごみを、キリスト教が「キリスト」信仰の中に消し去ってしまうことがいちいち目について、キリスト教に対してどちらかというと否定的な面ばかりを強調した。しかし、後のキリスト教がイエスとは違うにせよ、キリスト教はキリスト教なりに、いろいろすぐれた遺産を残してくれているのも事実である。そのことは、十分にお伝えしなければならない。敢えて、「キリスト教思想への招待」を書こうと思った理由である。(p.iii)
ちなみにイエスとキリストは別物であり、これをくっつけて考えるのは信仰である。
- 作者:エレミアス
- メディア: -