本の覚書

本と語学のはなし

アウグスティヌス 人と思想39/宮谷宣治

▼伝記、思想、著作、影響の簡単な紹介。ほとんどカタログみたい。
アウグスティヌスカトリックにとってもプロテスタントにとっても重要な思想的源泉である。だが、いかにして対立する両陣営にとって、同時に本質的な影響を持ちえたのか。両者の受容の相違はどこにあったのか。そこはきちんと書いてもらいたかった。

▼ときどき日本語がおかしい。指摘するほどでないかもしれない。しかし、この人は翻訳もしている。私は最近この人の『告白録』を買ったばかりだ。翻訳の日本語にも難があるかもしれない。それだけではない。私は日本語のできない人の外国語能力を信用しない。これからずっとこの人の翻訳を参照しようと思っていたばかりなのに、常に疑念を抱かねばならないというのは難儀な話だ。

▼私がカトリック教会で受洗した時、洗礼名は自分で選択した。神学者守護聖人アウグスティヌスである。私の洗礼証明書には、アウグスティノと書かれている。