本の覚書

本と語学のはなし

『竹中式マトリクス勉強法』


竹中平蔵『竹中式マトリクス勉強法』(幻冬舎,2008年)
 ハウツー本として使える本ではない。「勉強法」「記憶勉強法」「英語勉強法」「経済勉強法」「世界に通じる勉強」という章ごとにいくつかの極意が示されるが、テクニカルな話はほとんどない。メモを持ち歩けとか、財務省エリートのメモ術はすごすぎるとか言うけれど、本当にメモの取り方を研究したいなら別の本を探すべきである。「志」を持って生きたいと思う若い人が発奮するために読む本、あるいは竹中平蔵という人を手っ取り早く知るための本である。
 ところで、タイトルになっている「マトリクス勉強法」というのは、「武器としての勉強」と「人と人を結ぶ勉強」それぞれに天井のあるなしを勘案して表を作る。そして、天井のあるものは期限を切って、逆算しながらTo-Doリストを作りなさいというもの。それだけの話である。
 勉強マトリクスの作成例。

男性28歳(銀行員)の場合
天井がある勉強天井がない勉強
武器としての勉強アナリスト試験を受ける金融全般の知識をふやす
人と人を結ぶ勉強ヨットの免許をとる洋書の小説を読む


 「バカは何人寄ってもバカである」とか「exclusive」というのは、この人のキーワードであるかもしれない。