旧約聖書に強くなる本／浅見定雄

改訂新版　旧約聖書に強くなる本

　旧約聖書に強くなる本ではあるが、学問的な成立史だとかイスラエル史だとかを学ぶための本ではないし、もともと日本キリスト教団出版局の『教師の友』という雑誌に掲載されたものなので、全くの初心者におおよその内容を物語風にやさしく説き聞かせてくれるというようなものでもない。
　ではどんな本かと言えば、学習参考書のようなものである。旧約全巻について内容を表でまとめてあったり、書名、王名、月の名前などを記憶するためのゴロ合わせが披露されていたりで、とても実用的だ。
　だが、これだけで内容がすっきり頭に入ってくるというようなものではない。聖書を読まずに済ませるための本ではないのだ。読むための補助として使い倒す本である。便利な表も、実際に聖書の傍らに置いてこそ真価を発揮する。全体の構成を示しつつ、自分が今どこにいるのか教えてくれるだろう。

　私はフランシスコ会訳を読んでいる。聖書自体に注釈がついているし、詳しい見出しもついている。だが、こういうまとめは常に一つの解釈である。解釈である以上、いくつか比較するに越したことはない。だから今後は『旧約聖書に強くなる本』も参考にしようと思う。