本の覚書

本と語学のはなし

Newton別冊 ゼロからわかる宇宙論/木村直之編集

 全部で6章。ビッグバン、ダークマターダークエネルギー反物質重力波、宇宙の果て、宇宙の未来を扱う。
 宇宙論の入門書も幾つか読んできたので、初めて聞くような話は殆ど無い。この本は『佐藤勝彦博士が語る 宇宙論の新時代』を改訂したものであるから、佐藤勝彦の『宇宙論入門』(岩波新書)にもよく似ている。


 重力波の観測は難しい。太陽と地球の間の距離で、水素原子1個分ほど歪みを検知しなくてはならないのだ。
 重力波が今後もっと正確に観測できるようになれば、宇宙の始まりも見ることができるかも知れない。
 光(電磁波)の観測だけでは、宇宙の始まりから37万年後までしか遡ることが出来ない。それまで光は直進することが出来なかった。電子が原子核に取り込まれてようやく宇宙は晴れ上がった。その時の光までしか、我々は到達することが出来ないのである(宇宙背景放射)。
 しかし、どんなものでも透過する重力波ならば、宇宙誕生直後のインフレーションの情報までも得ることができると期待されている。


 私は天文学というより、宇宙論に興味を持っている。
 しかし、残念ながら理系の勉強は怠けてきたから、数学も物理も化学も分からない。今から頑張ったところでたかが知れている。しかし、多少とも数学的に宇宙を理解できるようになりたい。数式の出てくる宇宙論の本を、何となくでも読めるようになりたい。