本の覚書

本と語学のはなし

Newton 2022年6月号

 また購入してみた。職場で読むのにちょうどいい。ただし、直ぐに読み終わってしまうので、ひと月もたせることは到底出来ない。
 物知りにはなるだろうが、必ずしも本質に到達できるとは限らない、というのが正直な感想である。それでも十分面白いのではあるが。
 定期購読するか否か迷うところだ。500円前後くらいなら買いだとは思うが、そこまで割り引いてもらうには、5年間読み続ける覚悟が必要だ。


 第1特集は指数・対数
 数学の教科書のような記述はほぼない。指数や対数が身近なところでどのように使われているのか、という点に力を入れている。
 ギガとかテラとかの接頭辞の一覧表が便利。グランドピアノの形は指数関数的である。マグニチュードは対数であり(log10E=4.8+1.5M)、値が1つ上がるとエネルギーは約32倍になる(地学で習うことではあるが)。人間の感覚器官は対数的にふるまう。対数を利用した計算尺というアナログ計算機があった(今でも売っている)、などなど。


 第2特集は天気と気象
 気象と防災対策の基礎。線状降水帯、エルニーニョ現象、スーパーセル、JPCZなど、ニュースでよく聞く言葉もきちんと理解できる。


 文字中心の記事は、灼熱の物理学、嫌悪の心理学、地図の科学。
 現在の原子力発電はウランの核分裂反応を利用しているが、それとは異なり、核融合反応によってエネルギーを取り出す研究が進められている。いわば小さな太陽を作るようなものである。燃料(重水素三重水素)は海水からほぼ無尽蔵に得ることができ、高レベル放射性廃棄物も出ず、核分裂の連鎖反応のように暴走することもないという。


 写真が中心の記事は、世界の最新ロケット超新星爆発南アメリカの動物。
 もうすぐ人類は再び月面に降り立つだろうし、2040年までに火星に有人着陸をする計画もある。本格的な宇宙開発の時代は直ぐそこに来ているようだ。