時空のゆがみとしての重力、粒子でもあり波でもあり不確定にゆらぐミクロの物質。数式で理解するのではなく、あくまでイメージしてみるというだけの本であるが、初めての一冊としてはちょうど良い。
相対性理論と量子論それぞれの導入部に引退後のシャーロック・ホームズが登場し、まさに誕生しつつある物理学の革新的な理論に先駆け、光の真実を見抜き、あるいは多世界解釈を夢想する。この本は佐藤勝彦監修となっているから、必ずしも彼が書いたのではないかも知れないが、「量子論は推理小説?」というコラムを見ると、彼自身ホームズファンであるのは確かなようだ。