本の覚書

本と語学のはなし

大学入試 山川喜輝の生物基礎が面白いほどわかる本/山川喜輝

 高校理科のほぼ全範囲を学ぼうという計画は、捗っていると言えないまでも、今のところ頓挫はしていない。
 今から独りで理系の学び直しをするのは大変だが、必要であると知りながら不当にないがしろにし続けてきた知識である。時間はかかっても続けていきたい。


 生物基礎で扱うのは、第一に生物の特徴。例えばウイルスは遺伝子は持つが、細胞を持たず、代謝を行わず、生殖によって自ら増えることもない。だから動物の細胞に入り込み、自らの遺伝子を増殖してもらう。生物と無生物の中間的存在なのである。
 第二に遺伝情報とDNA。ここで近頃のワクチンのニュースでも耳にするmRNA(メッセンジャーRNA)が登場する。
 第三に生物の体内環境の維持。内臓の機能などとともに、免疫について学ぶ。免疫にも段階と種類があるが、ワクチンはいわゆる抗原抗体反応のしくみを応用したものである。
 第四に生物の多様性と生態系。環境汚染にも話は及ぶ。化学肥料を用いた農業も、環境に影響を与えうる。
 基礎的な内容ではあるけれど、ちょっと知るだけで世界は大きく変わる。


 表紙のイラストと中身のイラストは全く別のテイストである。図はもちろん至って普通。
 表紙を見て過剰な期待を抱くのであれば幻滅するだろうし、躊躇するのであればその必要は無いと言っておきたい。