本の覚書

本と語学のはなし

新訳 シェイクスピア詩集/ウィリアム・シェイクスピア

 シェイクスピア特集最後の一冊である。
 『ソネット集』以外の詩が収められている。ギリシア神話に題材を得た『ヴィーナスとアドゥニス』、ローマの王政を終わらせることになった王子による陵辱事件を扱った『ルークリースの陵辱』、真実の愛を寓意的に描いた「不死鳥と山鳩」、『ソネット集』と『恋の骨折り損』から5篇が取られただけだがシェイクスピア作として出版された「多情の巡礼」、『ソネット集』の巻末に併載された「恋人の嘆き」、その他2篇(ニュー・オックスフォードの全集を見ると、まだ他にもシェイクスピアの詩かもしれないものが載ってはいるが)。そのほとんどが、避けようとしても避けがたい情欲の道を歌っている。
 詩が書かれたのは、主として、疫病が流行して劇場が閉鎖された時期であったようだ。


 『ソネット集』以外の詩が翻訳されることはほとんど無い。意外なことに、詩作品をまとめて訳したのは、これまで筑摩書房の全集だけであったらしい。
 新訳の特徴は注釈が細かいこと。それはありがたいのだが、文字まで細かくてちょっと読みづらい。脚注にはなっているが、注が多すぎて、時には本文と注の間に数ページの齟齬がある。「タークィンは、実にあくどい手段を使って、何としてでも、ルークリースにいうことを聞かせようと画策している」などという、詩を読めば誰でも分かるようなことまで教えてくれる必要はないのにと思う。


【筋トレ】
 筋トレを再開する際に、ダンベルの重量を最大3キロ落とした。今月に入って、少しずつ重さを上げている。
 とは言え、高重量に対するこだわりはない。軽すぎるかもしれないと感じた頃に、ようやくほんの少しだけ重りを増やす、というやり方で良い。
 重視するのは、丁寧に効かせることであり、怪我や関節痛を避けることである。