「瀕死の探偵」はなんとなく読んだことがあるような気がする。しかし、似たような話は他にもありそうだから思い違いかもしれない。
『最後の挨拶』が既読か否か決着は付かない。
『恐怖の谷』も同じく、記憶があるようでないようで。
この長編は前半部分で一応一件落着し、後半で(全集では次の第8巻)事件の背景となるアメリカでの過去が描かれる。『緋色の研究』と同じ構成だ。しかし、それだけでは終わりそうにない?
モリアーティ教授がどう関係しているのかは、最後まで謎かもしれない。
ホームズを読むときに参照しているものを紹介しておく。
本ではなくて、付録として付いている当時のロンドンの地図。1枚の大きな紙の地図である。開いたり折りたたんだりする度、紙にダメージを与えそうであるが、全体を見渡せるのはやはり便利である。- 作者:ジャック トレイシー
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 単行本
様々なことを調べることができるが、一番重宝するのは場所を知りたいときだ。
例えば、『恐怖の谷』に「現在、レスター、ノッティンガム、サウサンプトン、ダービー、イースト・ハム、リッチモンド、そのほか十四カ所から、彼らしい人物をみたという情報が入っています」(p.189) とある。イースト・ハムがどうしても探せないとする。そこでこの事典を調べてみる。「イースト・ハム」の項を見ると次のように書かれている。
エセックス州の都市。人口9万6018人〔1901年現在〕。地理的にはロンドンの東への延長にあたり、主に工業の町である。バールストン殺人事件の犯人について、イースト・ハムほかの19の場所から情報が入った〈恐怖の谷〉。
⇨裏見返しの地図。
これによって指示された地図を見れば、直ぐにその位置を確認できるのである。
河出書房新社版全集を訳したシャーロキアン夫妻による入門書。
今のところ使っているのは、事件発生順に並んだシャーロック・ホームズ事件簿。これはベアリング・グールドの説に従っているので、東京図書版全集の収録順と同じ。索引代わりになる。しかも、収録書名も載っている。
しかし、こうしてベアリング・グールド説が絶対年代であるかのように固定化してしまわないか、危惧してしまう。
もう一つは、作品発表順に並んだ作品名対象リスト。翻訳によってタイトルが変わることもあるので作られたリストであるが、私の場合は、どの短編集にどの物語が収められているのかを確認するために用いている。
ホームズの場合、短編集の収録順はほぼ発表順であるようだ。その点、意図的に並べ替えが行われているブラウン神父とは異なる。