本の覚書

本と語学のはなし

ブラウン神父の童心/G. K. チェスタトン

 子どもの頃に学校の図書館で借りたブラウン神父が忘れがたい。どの話が収められていたか記憶は定かでないが、「青い十字架」や「奇妙な足音」はきっと読んだはずである。異国的なものには常にわくわくしていた頃であった。就中、ブラウン神父は私にとって異国の中の異国であった。
 大人になってからも一度(か二度)読んだ。多分『ブラウン神父の童心』より先には進んでいない。あまりに現実味に乏しくて、漫画のように思われたからかもしれない。


 BBC のドラマを見て懐かしくなった。
 原作を読み直してみると、全くの別物であった。似たような話はあるが、トリックも動機も異なることが多い。
 50分の映像を作るには短編に盛られた内容では足りないのかもしれないし、その世界が漫画向きではあっても実写にはなかなか工夫を必要としたのであろう。
 チェスタトンはたまたま探偵小説が好きだったからその形式を借りてはいるが、その実非カトリック的なものをやっつけるべく、その病理のカタログを作成しているかのようである。しかし、ドラマではそういう要素もかなり排除されている。


 英語での専門を決めるために読み直してみたのでもあった。
 これに関してはもう結論が出ている。分量が手頃であること、原文翻訳ともに入手が容易であること、豊富な注釈や関連文献を参照できることなどから、ジェイン・オースティンを選択したのだ。
 同じ理由で、シャーロック・ホームズコナン・ドイルの全作品ではなく)にもちょっと惹かれる。先ずは河出文庫の全集を読んでみよう。注が豊富らしい。*1ただし、遅ればせながらシャーロキアンを僭称することがあったとしても(学生時代に5、6冊目を通したときには、そのようなことは夢にも思わなかった)、ジェイン・オースティンにその座を明け渡すよう要求するものではない。
 チェスタトンは文庫で出ているものを読み、気が向いたら原文を参照する程度にしておく。


【語学】
 今月は専門のための書籍に思い切って散財することになる。
 翻訳のアウグスティヌス著作集(教文館)とニーチェ全集(白水社)も古本で購入してしまった。


【家庭菜園】
 7月17日播種、7月29日移植の秋キュウリに花が咲く。
 主枝が支柱の先まで届いたので、摘芯する。側枝も2節くらいで摘芯。コンパクトに育てる。


 6月30日のつるなしインゲンは大方収穫を終えているが、ちょっと追肥をしたら、若々しい緑の葉が増え、また花が咲いた。
 満足に実を付けるかどうか分からないが、暫く観察してみる。


 7月17日のつるなしインゲンの初収穫。
 もう少し放置して、一度にどっさり(というほど成りはしないだろうが)採る予定。


 6月30日のツルムラサキを初収穫。
 もうすぐ支柱の先に届きそうだ。摘芯すればわき芽が活発に出てくるようになるのだろうか。


 ゴーヤー、トウガラシ、中玉トマト、エンサイ(クウシンサイ)はコンスタントに一定量の収穫が続く。


 カブとダイコンは多少虫食いの被害に遭っている。順調に育つかどうか心許ない。
 もう少し涼しくなったら、ホウレンソウやコマツナなどを苗カバーをつけて育てる実験をしてみたい。

*1:ちくま文庫版はシャーロキアン的ホームズ学の注が充実しているらしいが、絶版である。古本は高値が付いている。底本も入手は困難なようだが、これと同じ系譜の注を載せた原文なら、日本のアマゾンでも購入可能である。