本の覚書

本と語学のはなし

ぐうたら農法/西村和雄

西村和雄 ぐうたら農法

西村和雄 ぐうたら農法

  • 発売日: 2018/08/28
  • メディア: 単行本
 何がぐうたらであるかと言えば、土を耕さず一度立てた畝はしばらく使い続ける、雑草は抜かずに適宜刈り取るだけ、肥料はほんの少しだけ。植物の根やミミズや土中微生物が土を耕し、豊かにしてくれる。手間は減り、病害虫の被害は減り、連作障害はなくなり、作物はおいしくなるというのである。
 有機農法である。植物由来の肥料しか施さない。自作のぼかし肥料も、材料は米ぬかと油かすのみである。畜糞を使うのは有機の名に恥じると考えている。例外は蠣殻石灰くらいであるが、ぐうたら農法を続けていればほとんど酸度調整の必要はなくなるという。
 ポリマルチは使用しない。刈り取った雑草や緑肥、作物の残渣を畝に積み重ねて草マルチにする。畝に雑草が生えても、作物の生長に害のない限りは放っておく。
 支柱を立てる、ネットを張る、不織布などをべたがけする、トンネルを作るなどのための資材投入は許される。


 しかし、自称「ぐうたら」だの「ずぼら」(次に読むのは『ズボラ菜園』という本である)だのはあまり信用できない。
 畝に根っこがびっしりはびこるため、5年に1度はリセットして耕さなくてはならない。つまり、完全不耕起ではない。その上、時折畑にはびこる草の根を切断するためショベルを入れて掘り返すとか、モグラ被害に遭わぬよう畑の全面を耕起することすら勧めている(別の方法もあるようだが)。
 それでも4年間はぐうたらでいいではないかと思うかも知れないけれど、種をまいたり苗を植えたりするには、その部分の雑草をそぎ取り部分耕起して元肥をすき込む必要があるのだから、毎年案外手間がかかりそうである。
 西村さんの畑ほど草ぼうぼうにするのはちょっと遠慮したいが、秋にヘアリーベッチマメ科)とエンバク(イネ科)の種をまき、緑肥として使おうとは考えている。ポリマルチを使わなくてもいいのであれば、それに越したことはない。


 私の菜園の話。
 葉っぱの食害の犯人はナメクジであった。今のところ見つけたら捕まえるという以外の対策はしていないが、西村さんがすすめるのはビールで誘い出す方法である。試してみるかもしれない。
 気温が上がってどれも少しずつ大きくなってきた。しかし、試しに採ってみたラディッシュ葉大根もまだまだ小さい。収穫に至らないだろうと思われるものもある。やはり4月が寒すぎた。今から種をまき直すべきなのか、後学のためどういう経過を辿るか最後まで見届ける方がいいのか、迷っている。
 4月末に種をまいたつるなしインゲンと枝豆は割と順調に発芽した。