Biblia Hebraica Stuttgartensia
- 作者:Elliger, K.
- 発売日: 1990/06/01
- メディア: ペーパーバック
Septuaginta: Id Est Vetus Testamentum Graece Iuxta Lxx Interpretes
- 作者:Rahlfs, A.
- 発売日: 2006/06/30
- メディア: ペーパーバック
וַתֵּ֨רֶא שָׂרָ֜ה אֶֽת־בֶּן־הָגָ֧ר הַמִּצְרִ֛ית אֲשֶׁר־יָלְדָ֥ה לְאַבְרָהָ֖ם מְצַחֵֽק׃
ἰδοῦσα δὲ Σαρρα τὸν υἱὸν Αγαρ τῆς Αἰγυπτίας, ὃς ἐγένετο τῷ Αβρααμ, παίζοντα μετὰ Ισαακ τοῦ υἱοῦ αὐτῆς
岩波訳。これはヘブライ語聖書を訳したものであるが、括弧内は七十人訳によって補っている。したがって全体の訳はほぼ七十人訳に等しい。
「戯れる」(新共同訳では「からかっている」)と訳されたヘブライ語動詞(ここではピエルの分詞形)は、イサクの名の語源であり、元来「笑う」という意味である。子宝に恵まれなかったサラにとって、イサクの誕生はこの上ない喜びであったのだ。
ギリシア語の方のパイゾーという動詞は、「子ども」を意味するパイスから作られている。まさに「戯れる」ことを指している。
サラは自分の息子とハガルの息子が戯れるのを見て、ハガルとその息子を追い出すのである。
- 作者:新訳聖書翻訳委員会
- 発売日: 1996/08/20
- メディア: 単行本
ἀλλ’ ὥσπερ τότε ὁ κατὰ σάρκα γεννηθεὶς ἐδίωκεν τὸν κατὰ πνεῦμα, οὕτως καὶ νῦν.
岩波訳。
しかし、かつて肉によって生まれた者が霊によって生まれた者を迫害したように、そのように今もまた〔同じことがなされている〕。
「戯れる」、あるいはせいぜい「からかっている」程度であったことが、パウロにあってはディオーコー、すなわち「迫害」へと変わっている。創世記ではどちらかと言えばサラの方が迫害者であったものが、ここでは肉の子イシュマエルによる霊の子イサクへの迫害という構図に価値転換されている。
価値判断をすることが目的ではないので、ここでやめておく。