本の覚書

本と語学のはなし

ウェストミンスター小教理問答/ウェストミンスター神学者会議

 「ウェストミンスター小教理問答」は17世紀中葉、ロンドンのウェストミンスター寺院で開かれたウェストミンスター神学者会議が作成したもので、同時に作られた「大教理問答」の縮約版となっている。*1

問1 人間の主要な目的は何ですか。
答  人間の主要な目的は、神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶことです。(p.9)

問23 キリストは、私たちの贖い主として、どのような職務を遂行されますか。
答  キリストは、私たちの贖い主として、謙卑と高挙のいずれの状態においても、預言者と祭司と王の職務を遂行されます。(p.16)


 少し驚いたのは、十戒の内の第八戒「盗んではならない」の積極的方面についての教え。

問74 第八戒では、何が求められていますか。
答  第八戒は、わたしたち自身と他の人々の富と財産を、合法的に獲得し、殖やすことを求めています。(p.34)

 「盗んではならない」というのは文字通り他人の所有を侵してはならないとうことを意味しているに過ぎないように思われるのだが、神が盗みを禁じているということは合法的に利殖することを求めているからだと考えるタイプの人たちが存在するのである。
 私は『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読んだことはないけれど、確かにここを見るだけでもウェーバーの言うことが正しいように思えてくる。

*1:新教出版社の『ウェストミンスター信仰基準』を買うと、「信仰告白」「大教理問答」「小教理問答」が一冊に収められていてお得であることに、後から気が付いた。