本の覚書

本と語学のはなし

新世界カトリック教会史/トマス・ボーケンコッター

 カトリックのリベラル派が書いた教会史。
 第二バチカン公会議カトリック・リベラル派の歴史的な勝利であったのかもしれないし、多くのカトリック信徒は既に進歩的な価値観を持っていると思われるが、カトリック教会というのは基本的に保守的な組織であって、ちょっとやそっとでその根本的なところは変わらないのではないか。私のように教会を飛び出した人間が、あえてカトリックに復帰する意味はあるだろうかと、考えさせられた。
 なお、この本の最後のあたりに何度か登場する保守派の棟梁ラッツィンガーとは、後に教皇となり、中世以来初めて生前退位というものが可能であることを世に示したベネディクト16世のことである。

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