本の覚書

本と語学のはなし

教会法で知るカトリック・ライフQ&A40/菅原裕二

 世界には約11億のカトリック信者がいて、司祭は約40万人。これを一つの組織としてまとめようというのだから、法的な整備も必要とされるわけである。
 教会法は秘跡にも及ぶ。ただし、教会法はカテキズムとは違う。カトリックは儀式的であり、秘跡も目に見える形式を備えているので、法によって条件を制定することも仕方のないことかもしれないが、これはあくまで法的表現にすぎない。

現行教会法を公布したヨハネ・パウロ二世は、法典が教会において信仰や愛や霊的な賜物の代わりになるものではなく、それらのものが第一の場を占めるように秩序を与えることを目指すものだと教えています(法典公布の「使徒憲章」参照)。(p.11)


 率直に言えば、カトリックは面倒くさい。
 たとえばカトリックは離婚を認めない。それなら絶対に別れることができないのかと言えば、必ずしもそうではない。神の恵みである絆が最初から存在しなかったと判断されれば、結婚そのものがなかったこととみなされる。結婚の事実がなかったのだから、離婚もない、というロジックである。
 実際にどの程度この婚姻無効訴訟が行われているのかは知らない。