本の覚書

本と語学のはなし

聖書外典偽典5 旧約外典Ⅲ/日本聖書学研究所編

 「ソロモンの詩篇」「シリア語バルク書」「第四エズラ書」「十二族長の遺訓」を収録。
 「第四エズラ書」は、新共同訳旧約続編の「エズラ記(ラテン語)」と同じものであるが、後に付加された第一、二章と第十五、十六章を省いている。黙示文学である。ウルガタ所収。しかし、カトリックの第二正典ではない。
 「十二族長の遺訓」はヤコブの息子たちの遺言であるが、もちろん後世の創作。キリスト教との影響関係も指摘される。

 これらのあとでヤコブの平安のうちに星がお前たちにのぼり、
 わたしの子孫の中から一人の男が義なる太陽のように立ちあがり、
 人々と柔和に正しく歩く。
 彼には罪がまったくない。
 天は彼に開かれ、
 霊が聖なる父の祝福を注ぎ、
 彼はお前たちに恵みの霊を注ぐ。
 お前たちは真に彼の息子になり
 その命令を一から十まで守る。
 この至高の神の若枝、
 すべてに生命を与えるこの泉。
 その時わたしの王国の笏が輝きわたり、
 お前たちの根から〔芽〕が出る。
 それから義の杖が異邦人にはえ出て、
 主を呼ぶ者すべてを裁き、救う。(ユダ24章)

 

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