本の覚書

本と語学のはなし

ユダヤ戦記3/フラウィウス・ヨセフス

 『ユダヤ戦記』全巻読了。
 エルサレム陥落の後、最後はマサダの要塞も攻略される。ここに立てこもったユダヤ人たちは、ヨセフスの伝えるところによると、先ず妻子を殺し、残った男たちはくじを引いて処刑者を決め集団自決した。宮殿は焼き払われたが、しかし、飢えのために自暴自棄になったのだと思われぬために、あり余る食料はそのまま残しておいたという。


 訳者の秦剛平の信条のことはよく知らないけど、基本的にキリスト教は嫌いらしい。少なくとも、反ユダヤ主義と結びついたキリスト教が大嫌いである。エウセビオスの『教会史』も訳してるけど、そのヨセフス受容のゆえにこれを屑の書と呼んでいる。
 一方で、イスラエルナショナリズムも嫌いであるらしい。
 今後この人の著作とどう付き合っていくべきか、今のところよく分からない。

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