本の覚書

本と語学のはなし

旧版ボキャビル【購入】

 新版と比較すると、旧版は理系分野語彙が少ない。医学と環境以外は全部ひとまとめでサイエンス・テクノロジーとして扱われている。ただし、工業英検を受けるつもりのない私にとっては、新版には不要の単語も多いわけだが(日本語訳を見ても何のことか分からないものもある)。
 文系分野語彙はおそらく旧版の方が充実しているが、新版にしか出てこない単語もけっこうあるようだ。どちらがよいとも言い切れない。
 日本事象語彙は新版にしか存在しない。通訳ガイドを目指す人のために加えられたのだろう。
 一般語彙は、新版がコロケーションで覚えることを重視しているのに対して、旧版は同義語をまとめることの方に力を入れている。例えば、新版では feasible という形容詞を扱うのに〈feasible (plan, project, approach, excuse)(実行可能な)――「計画・手法」と主に結びつく〉と記述しているのに対して、旧版の方は〈(feasible, viable, practicable) plan――実行可能な計画 (= workable)〉となっている。なお新版では、viable も practicable も workable も扱われていない。それぞれに長所はあるだろうが、おそらく語彙数から言えば旧版の方に軍配が上がる。


 タイムを読むことだけが目的なら、旧版の方がいいんじゃないかという気がする。とは言え、新版も捨てがたいので、しばらくは交互に見ていくことにしよう。

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