本の覚書

本と語学のはなし

なぜ無教会か/高橋三郎

なぜ無教会か

なぜ無教会か

 無教会というのは、私みたいに結果的にそうなっているような個人のことではなくて、主義として無教会を選んだ人たちのことである。
 権威や儀礼を固定化する教会法を悪として断固拒否し、制度としての教会を持たないことこそ宗教改革を理論的に完遂するものと考える。その意味で、彼らが批判するのはカトリックだけではなく、あらゆる教会組織を持つ団体であるということになる。
 しかし、信仰者の共同体は新しい契約の必然であると考える。ここに彼らの理論と実践の間の緊張があるように思う。この本では詳しく書かれていないが(これは無教会主義の理論的な入門書ではなく、講演集である)、彼らの間で絶大な影響力を持つという「先生」の存在がどんなものなのか、そこを知りたい。