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本の覚書

本と語学のはなし

旧約聖書XIV ダニエル書・エズラ記・ネヘミヤ記/旧約聖書翻訳委員会訳

旧約聖書〈14〉ダニエル書 エズラ記 ネヘミヤ記

旧約聖書〈14〉ダニエル書 エズラ記 ネヘミヤ記

 ヘブライ語聖書では諸書に分類されている書たち。
 ところでヘブライ語聖書には一部だけアラム語が使われている。創世記31章47節やエレミヤ書10章11節はごく短い例であるが、ダニエル書は2章4節bから7章まで、エズラ記は4章8節から6章18節までと7章12節から26節までと、けっこうな分量である。
 エズラ記の方は資料をそのまま用いた可能性が高いようだが、ダニエル書の方は、バビロン捕囚後のユダヤ人社会でヘブライ語アラム語もともに用いられていたのは確かとは言え、なぜ同一文書中に両者の混淆が生じているのか解明はされていないらしい。


 ダニエル書の2章4節の翻訳を比較してみる。
 先ずは新共同訳。

賢者たちは王にアラム語で答えた。「王様がとこしえまでも生き永らえられますように。どうぞ僕らにその夢をお話しください。解釈を申し上げます。」

 次に岩波訳。

カルデア人たちは王に語った。――アラム語――「王よ、永遠に生き給え。先ずその夢を僕どもにおっしゃって下さい。そうしたらその意味を申し上げましょう。」

 新共同訳だと「アラム語で」というのは賢者たち(カルデア人というのはアッカド語で書かれた天文学、易学に関係の文書に詳しい学者のこと)の答えた言葉のことのみを指しているようである。そう訳すことも可能であるらしいが、岩波訳ではここからアラム語での記述が始まることを示す、後代の書き込みであると解釈する。素人考えではあるけど、その方が自然である気がする。

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