- 作者:日本聖書学研究所
- 発売日: 1982/12/01
- メディア: 単行本
イザヤやソロモンのような旧約の人名も出て来るが、前者はユダヤ教文書とキリスト教文書を結合したもののようで、殉教後に昇天したイザヤがキリストの生誕から受難までを見届けるという内容になっている。後者の本文には、ソロモンの名は一度も出てこない。
エズラはなかなか複雑である。ウルガタの第一エズラ書は、旧約正典のエズラ記。ウルガタの第二エズラ書は、旧約正典のネヘミヤ記。この二書は、七十人訳では第二エズラ書、後代ラテン語訳では第一エズラ書である。ウルガタの第三エズラ書は、七十人訳では第一エズラ書、後代ラテン語訳では第三エズラ書、学問上の呼称は第一エズラ書(第一巻所収)であり、新共同訳の旧約続編ではエズラ記(ギリシア語)とされている。ウルガタの第四エズラ書(英訳では第二エズラ書と呼ばれることもある)は、新共同訳の旧約続編ではエズラ記(ラテン語)とされているものであるが、これは三部に分かたれる。一章から二章は、後代ラテン語訳では第二エズラ書、学問上は第五エズラ書(本書所収)。三章から十四章は、後代ラテン語訳では第四エズラ書、学問上も第四エズラ書(第五巻所収)。十五章から十六章は、後代ラテン語訳では第五エズラ書、学問上は第六エズラ書(本書所収)。第五・第六エズラ書は、キリスト教の文書であろうと考えられている。
まあ、表にでもしてみないと分かるまい。分からなかったとしても、新共同訳の続編つきを読めば、エズラ記は全部読んだことにはなる。