本の覚書

本と語学のはなし

聖書外典偽典7 新約聖書Ⅱ/日本聖書学研究所編

 「ペテロ行伝」「パウロ行伝」「ヨハネ行伝」「アンデレ行伝」「トマス行伝」を収録する。だいたい二世紀から三世紀頃に書かれたもののようである。
 読んですぐに気が付くのは、甚だしい禁欲主義である。恋人との間、夫婦の間でもそれは汚れた行為とされ、その故にしばしば伝道の地でトラブルが生じ、そこからしばしば殉教にまで至るのである。
 グノーシス主義的なものも指摘されるが、それについてはまた別の参考書を見てみたい。


 新約成立の背景としては旧約の外典・偽典を読んでおいた方がよく、初期キリスト教会の歴史のためには新約の外典を読んでおいた方がよいのだが、このシリーズを通読するのは私にとっては苦行みたいなものである。