本の覚書

本と語学のはなし

緑の眼の少年 注釈

 タイトルはもっと工夫すべきだったかな。
 それと緑の眼の描写をもっときちんとするべきだった。というか、書いているときは緑の瞳のつもりでいたんだけど、そうじゃないよね。


しかも、誰だって青い眼を持っているって、昔々のえらく暇な、でもとても偉いおっさんが言ってるらしいんだ。

 吉田兼好徒然草』第170段に、「阮籍が青き眼、誰もあるべきことなり」とある。
 阮籍竹林の七賢人の一人。歓迎しない客が来たときには「白眼ヲ作シ」、歓迎する客が来たときには「青眼ヲ見(アラハ)ス」。


ヴェルはヴェルでも、マドモワゼルが言っているのは緑じゃなくて、グラスのことだって。綴りはもうまったく違うんだけど、発音は一緒らしいんだ。

 フランス語で緑はvert、グラスはverre。辞書を見ると発音記号は一緒である。
 鴎外の『杯』にverreが出てくる。 « Mon verre n’est pas grand, mais je bois dans mon verre. » わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます。鴎外はヱエルと振り仮名を振っている。

 なお、七月革命記念柱の内部は螺旋階段になっており、その様子は『猫が行方不明』で確認することができる。
 一般に登ることができた時代があるのかどうか知らないが、例えばヴァンドーム広場の記念柱であれば、ゾラの『居酒屋』にはパリ見物のために登ることができたという記述がある。
 パリ旅行記 その5-3 - 本のおぼえがき
 居酒屋 - 本の覚書

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例えばさ、長さ85mの新幹線が時速144kmで走っています。この電車がトンネルに入ってから通り抜けるのに23秒かかりました。トンネルの長さは何mでしょう、なんて言われてもちんぷんかんぷんなんだな。

 先ず単位を統一する。時速144kmは時速144000mであり、秒速に直すと40m。
 あとは、「速さ×時間=距離」(私は「はじき」と習ったが、今はたぶん「距離」の代わりに「みちのり」を使う。したがって「みはじ」と教わるようだ)の公式に当てはめればよいが、新幹線の先端がトンネルに入ってから後端が抜けるまでの時間しか示されていないので、距離には新幹線の長さを加えてあげなくてはならない。したがって、

  40(速さ)×23(時間)=x(トンネルの長さ)+85(新幹線の長さ)
  x=40×23-85
  x=835(m)


だから塩を睨めば塩は塩味を失う。ただの白い粉になるんだよ。

 小説と直接の関係はないが、福音書にイエスの語録として出てくる。例えばマタイ5章13節。「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである」(新共同訳)。ただし、イエスが元来何を意図していたのかは、必ずしも明瞭ではない。


口外したらぼくはハリセンボンの春菜と結婚しなくちゃならない。

 近藤春菜、お笑いコンビ、ハリセンボンのツッコミ担当。高校3年生時にはすでに現在の容姿になっており、どうみても高校生ではなく中年女性またはおじさんであったと、Wikipediaに紹介されている。
 近藤春菜 - Wikipedia