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本の覚書

本と語学のはなし

万葉集再開

新編日本古典文学全集 (6) 萬葉集 (1)

新編日本古典文学全集 (6) 萬葉集 (1)

テキスト

 日課として少しずつ読み進める古典は『万葉集』にする。散文的なものは、可能であれば一般の読書の中で扱うことにする。つまり、『方舟さくら丸』を読むようにして『更級日記』も読んでしまいたい、ということだ。可能かどうかは知らない。
 『万葉集』のメインのテキストとして使うのは、小学館の全集のもの。訳と注が付いていて、漢字で書かれた原文も載っていて、その原文に読み仮名もふってある。こんなに親切な作りは他にないのではなだろうか(と言ってみたが、他のテキストはほとんど見たことがないから、違うかもしれない)。
 サブとして使うのは講談社文庫版。こちらも訳、注、原文がついている点では同じだが、原文は原文だけ漢字だけ。読みは仮説に過ぎないこともあるから、それが正しいやり方ではあろうけど、それでは素人はなかなか原文まで目配りをしにくい。それと、決定的な欠点は字が小さいこと。特に訳と注と原文。いずれこれを職場に持って行きたいと思っているのだが、その頃にはもう目が受け付けそうにない。見たことはないけど、原文を捨ててでも岩波文庫の新版を買わなきゃいけないだろうか。

辞書比較

 再開は巻第三の388から。面倒くさいので引用は差し控えておこう。ここでやりたいのは、古語辞典の比較である。388には海の意味で「には(尓波)」という言葉が出てくる。「いざ子どもあへて漕ぎ出む、にはも静けし」。


ベネッセ古語辞典

ベネッセ古語辞典

 私のメイン辞書『ベネッセ古語辞典』。語義を3つ載せ、その内の3つ目が「海面。水面」。用例は万三388、つまり今日読んだ歌である。
 参考として、「もとは、家のまわりの平地の意味だが、そこは同時に生活の場であり、ときには神事の行われる神聖な場所ともなった。のちの『場(ば)』という語は『には』の転である」。


旺文社古語辞典

旺文社古語辞典

 サブ候補の『旺文社古語辞典』。語義を4つ載せ、その内の3つ目が「平らな海面」。用例は万三391。しかし、引用されている歌は小学館講談社文庫の388であって、391ではない。日本古典学会では付番が統一されていないのか、単純な間違いか。
 参考的な説明はない。なんか物足りない。サブの位置危うし。


例解 古語辞典

例解 古語辞典

 語数は少ないながら、絶版の今も評判の良い『例解古語辞典』。語義を4つ載せ、その内の4つ目が「(魚などをとるのによい)海面」。用例は万三256。「飼飯(けひ)の海の庭よくあらし……」。おお、ベネッセと旺文社とは別の箇所だ。あらしは嵐ではなくて、あるらしのことです。
 要説として、「『馬場(うまば)』『牧場(まきば)』『弓場(ゆば)』などは、『うまには』『まきには』『ゆみには』から変化した語」。最初の語義で「物事が行われる場所。場」といあり、たぶんそれがもとの意味説明となっている。さすがに侮れん。


岩波 古語辞典 補訂版

岩波 古語辞典 補訂版

 独特の語源解釈で賛否両論の『岩波古語辞典』。なんと語義が7つも載っており、その内の3つめが「漁場」。用例は万十五3609。「武庫(むこ)の海の庭よくあらし……」。うむうむ。
 基本的な意味は次の様に説明されている。「作業・仕事をする平らな一定の地域。神事・狩猟・漁業・農事作業などが行われる。転じて、今日の庭の意」。ベネッセとは若干異なっているが、両方読んでこそしっかり語感が身につく気がする。サブはこっちだ。もしかしたらいずれメインに取って代わるかもしれない。

未来

 そうそう、のべらっくすのお題が発表になった。「未来」である。
 当面、この集いのお題に乗っかって短編を書いてみる。そしてそれは、非公開の創作用ブログにアップする。創作用ブログはたぶんずっと非公開なのだけど、作品の一部はこちら(本の覚書)で公開してみようかなとは考えている。
 さて、問題は書き上がったものを集いに出品するのかどうかということである。締め切りに間に合うかどうかも分からないが、間に合ってしまったらどうしようかな。
 スターとか言及とかに疲れてソーシャルパーツの類を全部非表示にしていながら、参加資格があるとも思われないけど、どうしよっかなと考えないと執筆できない気がする。執筆が終わったら、まあいいやってなりそうだけど。

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