本の覚書

本と語学のはなし

聖書原典講読

 ヘブライ語聖書は文法を学び終えたら直ちに取りかかる。3月上旬になりそうだ。
 ギリシア語聖書はマタイの5章まで読んで休止している。ヘブライ語聖書の開始に合わせて再開するつもりだったが、それではブランクが長くなりすぎる。先ずは田川訳、岩波聖書翻訳員会訳、文語訳を読む。原典の休止箇所に追いついたら、ギリシア語での講読を始めることにする。

原典

Biblia Hebraica Stuttgartensia

Biblia Hebraica Stuttgartensia

  • 作者:Elliger, K.
  • 発売日: 1990/06/01
  • メディア: ペーパーバック

 ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシアヘブライ語聖書。文法書の練習問題は聖書の実際の文から採られているため、前後を確認するために開くこともある。日本語訳で気になるところを調べてみることもある。着々と原典講読の準備は進んでいる。
 ネストレギリシア語聖書。古典ギリシア語を勉強したことのある人にとっては難しい文章ではない。しかし、問題の所在はまた別のところにある。

古典語訳

Septuaginta: Id Est Vetus Testamentum Graece Iuxta Lxx Interpretes

Septuaginta: Id Est Vetus Testamentum Graece Iuxta Lxx Interpretes

  • 作者:Rahlfs, A.
  • 発売日: 2006/06/30
  • メディア: ペーパーバック
Biblia Sacra Iuxta Vulgatam Versionem

Biblia Sacra Iuxta Vulgatam Versionem

 七十人訳ヘブライ語聖書をギリシア語に訳したもの。しかし現行のヘブライ語聖書と完全に一致するわけではない。語句のレベルだけではなく、収録されている巻数も異なる。新約聖書七十人訳からの引用も多い。また、ヘブライ語聖書にはない文書の一部も、カトリックでは第二正典として認めている。
 ヴルガタ訳は長らくカトリックで使われてきたラテン語訳聖書。西方教会ではそもそも旧約も新約も原典などは使ってこなかったのである。

近代語訳

The Catholic Study Bible: The New American Bible

The Catholic Study Bible: The New American Bible

  • 発売日: 2011/09/15
  • メディア: ハードカバー
French Bible

French Bible

  • 発売日: 1996/01/01
  • メディア: ハードカバー
Die Bibel. Lutherbibel. Schwarze Standardausgabe 1984. Mit Apokryphen

Die Bibel. Lutherbibel. Schwarze Standardausgabe 1984. Mit Apokryphen

  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: ハードカバー

 英語の欽定訳。私が持っているのはライフ・アプリケイション・スタディ・バイブル。きちんと目は通してないが、有用な情報がたくさん盛り込まれている。注は生きる指針のような感じ。
 英語のニュー・アメリカン・バイブルカトリックの聖書。注はていねいに読むが、緒論の部分までは手が回らない。
 フランス語の共同訳。昔どういう訳だかも知らぬまま教文館で買った。旧約の配置はヘブライ語聖書に準じているようだ。第二正典(続編)を旧約と新約の間に置くのは、日本の新共同訳と同じ。エルサレム聖書があればそちらを読みたいところだが、今のところわざわざ買う予定はない。どうしても気になるときはネット上で閲覧する
 ドイツ語のルター訳アポクリファ付き。プロテスタントではアポクリファは正典と認められないが、読んでいけないものではない。むしろ正典の成立を考える上では読んでおきたいもの。

 その他には、必要に応じてイタリア語のカトリック聖書CEIを参照するかも。

日本語訳

新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書

新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書

  • 作者:田川建三
  • 発売日: 2008/07/04
  • メディア: 単行本
聖書 -原文校訂による口語訳

聖書 -原文校訂による口語訳

 岩波聖書翻訳委員会訳。注の豊富な分冊版。旧約新約ともに全巻揃っている。翻訳は委員による共同作業ではなく、個人訳の集成である。
 田川建三。新約のみ。膨大な注が魅力だ。そうとうリベラルなクリスチャンでも田川と聞けば警戒するかもしれない。ましてカトリックが頼るべき人ではないかもしれない。しかし、教義はいったん括弧に入れる。私は護教のために聖書を読むのではない。それでカトリックから離れなくてはならないと結論するなら、それでもよい。
 フランシスコ会カトリックの教義を押し付けるような注はあまりないから、プロテスタントの人が読んでも問題はなさそうだ。ただし第二正典は旧約の中に配置されているし、エステル記やダニエル書のように本文の中に外典の一部が組み込まれている場合もある。もちろん、きちんとそれと分かるようになっているけど、こういう聖書の扱いに耐えられなければ無理には薦めない。ごくまれに誤植らしきものもあるが、追々直されていくだろう。
 文語訳。語学的な目的ではなく、文語訳の格調とはどういうものであるか知るために。

 その他にも、必要に応じて新共同訳口語訳新改訳バルバロ訳関根正雄訳塚本虎二訳などを参照する。

参考書

 創世記だけミルトスの対訳シリーズを参考書として用いる。CDは上巻分しか買っていない。必要ならネット上で聞く。