本の覚書

本と語学のはなし

西洋の書物工房/貴田庄

▼これまで本の歴史の本を何冊か読んできた。本の外形とか印刷術の変遷は何となく分かった。しかし、本の構造がどうなっているのか。つまり、紙をどんなふうに折って、それをどうつなぎ合わせ、裁断し、どうやって表紙や背表紙にくっつけるのか、といったことを、歴史的に説明してくれた本はなかった。
▼著者はフランスやベルギーで伝統的な製本術を学んだ人である。その知識を惜しげもなくこの本に詰め込んでくれた。図版も豊富である。私の知りたかったことにも、けっこう答えてくれている。ただ、残念ながら、それでも想像力が追いつかないことがしばしばあった。最初に本の基本的な作り方をレクチャーしてくれれば、私のような素人にもマニアックな記述がもっと容易に理解できただろうと思う。

▼手製本の入門書を二三読んでみたい。実際に自分で作ることはないだろうけど、本の構造を知ることが大事である。
▼私は手仕事の職人になるのが一番良かったような気がする。しかし、漠然とそう思いながら行動も起こさず、その対象を探し出すこともせず、中年になってしまった。製本が手仕事の対象でありうるということを若い頃に知っていたらどうだったろうか?


▼本の歴史に関しては一先ずこれでおしまい。今年読んだ類書の感想をまとめてみる。




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