積読を大量に抱えているにもかかわらず、今月もたくさん購入。
マルクスとベンヤミン
内田樹・石川康宏『若者よ、マルクスを読もう』(かもがわ出版)。著者二人の往復書簡で、『共産党宣言』『ユダヤ人問題によせて』『ヘーゲル法哲学批判序説』『経済学・哲学草稿』『ドイツ・イデオロギー』といった若きマルクスを扱う。私はもうとっくに若者ではないが買ってみた。
村上隆夫『ベンヤミン』(清水書院)。取りつく島もなさそうなベンヤミンの全体像はとりあえずこれで。そもそもなぜベンヤミンを読もうとしているのか、自分でもよく分かっていないのだけど。
今村仁司『ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読』(岩波現代文庫)。例によって野村修訳が収録されている。なかなかに難解そうな断片的メモ。例えば最後の一文はこうだ。「未来のあらゆる瞬間は、そこをとおってメシアが出現する可能性のある、小さな門だったのである」。
鹿島茂『「パサージュ論」熟読玩味』(青土社)と鹿島茂『パリのパサージュ』(平凡社)。パリのパサージュについて論じられたら、鹿島がスルーするわけにはいかないのだろう。鹿島はどうやら和訳が意味不明の時にはしばしばフランス語訳に当たっている。哲学用語として定訳となっているものを機械的に当てはめるだけでは、ベンヤミンの言いたいことは見えてこないのだろう。
- 作者:村上 隆夫
- メディア: 単行本
- 作者:今村 仁司
- 発売日: 2000/11/16
- メディア: 文庫
- 作者:鹿島 茂
- メディア: 単行本
- 作者:鹿島 茂
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 単行本
キリスト教
田川建三『新約聖書 訳と註4 パウロ書簡その二/擬似パウロ書簡』(作品社)。疑似パウロ書簡とある。パウロが書いた体裁にはなっているが真筆ではないもの、パウロを名告っているわけではないが後にパウロの書簡とされたものが存在するのだ。もっとも、福音書だって使徒のマタイやヨハネが書いたわけではないけれど。
荒井献『イエスとその時代』(岩波新書)。田川からは常に批判される荒井。その著作はどんなものだろうか。この本の前の所有者はある程度専門知識を持った人のようだ。ドイツ語のメモ(ほとんど単語だが)が幾つか書き込まれている。カタカナでイエズスという表記もあるから、カトリックかも知れない。私は本の読み方をよく知らないので、この人の線の引き方、メモの取り方に学びたい。
渡辺信夫『カルヴァン』(清水書院)と大島末男『カール・バルト』(清水書院)。正直言って二人ともよく分からないし、理解できるとも思えない。
河野博子『アメリカの原理主義』(集英社新書)。アメリカのキリスト教については少し勉強しなくてはならない。
新約聖書 訳と註 第四巻――パウロ書簡 その二/擬似パウロ書簡
- 作者:田川建三
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: 単行本
- 作者:荒井 献
- 発売日: 1974/10/21
- メディア: 新書
- 作者:渡辺 信夫
- メディア: 単行本
- 作者:大島 末男
- メディア: 単行本
- 作者:河野 博子
- 発売日: 2006/07/14
- メディア: 新書