本の覚書

本と語学のはなし

アシジの丘/山川紘矢・山川亜希子・北原教隆

 一九八六年十一月、聖フランチェスコの縁につながる私たち十四人は、イタリアにでかけました。聖フランチェスコの縁とは、前世でアシジに生まれ、今生では、聖フランチェスコの保護を受けている、ということなのです。どうしてそういう事が分かったかはおくとして、私達の間に自然に、イタリアのアシジに行こう、という話が持ちあがりました。そして、十四人の人が集まりました。その中の一人が、写真家の北原先生でした。(山川亜希子、p.105)

 かなり怪しげな一行が、十日のイタリア旅行の内、わずかに二日をアシジ観光に割いただけで作ってしまった本なので、ずいぶん粗い出来になっている。ともかくもアシジの写真に飢えているというのでなければ、とても勧められない。
 「私は子供のころ母親とこの教会に来たことがあります」だとか「北原さんは鹿児島で光の話をすると神様に約束して生まれたのですよ」とかいう会話を平気でする人たちなので、彼らの書く文章は私にはとうてい理解できない。