本の覚書

本と語学のはなし

カトリック教会のカテキズム要約(コンペンディウム)/日本カトリック司教協議会常任司教委員会監訳

 その名の通り『カテキズム』の要約である。参照箇所も記されているので、『カテキズム』の索引としても使えるかもしれない。問答形式の採用、図像の掲載もその特徴となっている。
 全体は四編に分かたれる。第一編「信仰宣言」では、信仰宣言の内容を詳しく見てゆく。第二編「キリスト教の神秘を祝う」では七つの秘跡を解説する。第三編「キリストと一致して生きる」では十戒を用いつつカトリックの倫理を扱う。この部分は普通のカトリック入門書ではあまり触れられないのだが、例えば同性愛、離婚、避妊、中絶、臓器移植、共産主義などについて、カトリックの公式の見解がどういうものであるか、知ることができる。第四編「キリスト教の祈り」では主の祈りを分析する。付録として種々の共通の祈りとカトリックの教えの定式とが載せられている。
 信仰宣言や祈りにラテン語の原文が添えられているのは嬉しい。

352 祓魔(ふつま)とは何ですか。    1673
 教会がイエスのみ名により、権威をもって、人あるいは物が悪い者の影響から保護され、その支配力から引き離されることを求めるとき、祓魔式が行われます。通常の形では洗礼式のときに行われます *。大祓魔と呼ばれる盛式祓魔式は、司教の許可を受けた司祭だけが行うことができます。
   * 現在の典礼では「悪魔の拒否」という形で、これが受け継がれています。

 後半の話はいわゆるエクソシストのことである。