本の覚書

本と語学のはなし

カトリックの信仰生活がわかる本/景山あき子ほか

 祈り、典礼暦、秘跡、冠婚葬祭、教会活動と信徒の心得、初期教会、日本における歴史など、カトリックとして知っておきたい基本事項が解説されている。未信者や受洗後間もない信者がカトリックのあらましを知るには適当な本だろう。
 カトリックというのは、ともするとどのような意味があるかもわからず秘跡に与ってそれで満足したり、神やイエスの直視を避けてひたすらマリアの取り次ぎの祈りに終始したりして、キリストが後景へと退くきらいがある。そんな印象を、私が教会に通っていた頃には持っていた。キリスト者である以上、常に聖書に照らして教会の意味を考えなくてはならない。聖書の中心は神であり、イエス・キリストであり、聖霊である。それらと対峙することなしに、キリスト教はあり得ない。そんな反発を抱いていた。
 そんな感想がどこまで実際を捉えたものかは分からないが、これからカトリックになろうとする人は、教会の勉強会だけではきっと不足だろうから、無反省に神秘体験を求めたり、引きずり込まれたりすることなく、こういう本から始めてきちんと勉強をしたらよいと思う。

カトリック教会の教勢

 附録の表を見ると、1997年現在、日本のカトリック信者数は441,912人(似非カトリックの私もカウントされているのだろう)。1,000人に3人から4人くらいの割合である(私が現在住んでいる教区では、1人か2人程度だ)。
 聖職者の数は、神学生や在俗会も含めて、9,600人。びくりしたのは、修道士が256人しかいないこと(修道女は6,563人)。*1日本の修道会は意外に小規模なものであるらしい。

*1:私の教区の教区報を見ると、修道士は数名しかいないようだ。