正岡子規は最初の四十ページでいなくなり、あとはひたすら軍関係の話。いよいよ日露戦争が始まる。
一部の軍人が非常に勉強熱心で、兵隊は死を恐れず勇敢で、政府は国民に恐るべき負担を強いて軍備を増強したということはあるだろうけど、日本がロシアに勝つなんてやはり幸運としか言いようがない。それが後年、国を挙げた神秘思想に変容してゆくように思われて、司馬を読むにしては随分暗い顔をしていることだろう。
あと五冊まるまる日露戦争の経過にあてられる。しかしこれは読むべきものである。
- 作者:司馬 遼太郎
- 発売日: 1999/01/10
- メディア: 文庫